コーヒー

はじまりの物語 (18)

#今回で一段落。まずは年表から。

はじまりの物語 (17)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニーの謎に迫る その6(ザブハーニーシリーズの最終回) #ザブハーニー以前のファトワー。そして彼がスーフィーになった経緯を考える

はじまりの物語 (16)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニーの謎に迫る その5 #前回からかなり時間があきました。実は来年1月(予定)に、共著でコーヒー本出します(歴史の話ではない)。詳細は…

はじまりの物語 (15)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニーの謎に迫る その4。 #今回のキーワードは「1454」 1454[L]―Sheik Gemaleddin, mufti of Aden, having discovered the virtues of the be…

はじまりの物語 (14)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニーの謎に迫る その3 前回からの続き。今回は、ザブハーニーとコーヒーの「再会」を考える。 ザブハーニーはアデンから「アジャムの地(バ…

はじまりの物語 (13)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニーの謎に迫る、その2 前回からの続き。いろいろと仮説をこねくり回すので、考えがあっち行ったりこっち行ったりします。 まずおさらいを…

はじまりの物語 (12)

#ゲマルディンことジャマールッディーン・アブー・アブドゥッラー・ムハンマド・イブン・サイード・アッ=ザブハーニー(←長い)の謎に迫る、その1 さて、再び「三大伝説」の話に戻ろう。 「コーヒー発見」仮説と伝説(2) 三大伝説 http://www.tsujicho.com…

はじまりの物語 (11)

おそらく15世紀の初め頃には、イエメンでコーヒーの実や種子の嗜好品的な利用と、初期のカフワ(カートやコーヒーの葉から作られる)の飲用が始まっていたと考えられる。そしてそれは15世紀半ばにかけて広まり、アデンのムフティーであったジャマールッディ…

はじまりの物語 (10)

#少し回り道して、「シェーク・オマール」ことシャイフ・ウマルのコーヒー発見伝説について検証。 「コーヒーの起源」は、はっきりした証拠が残っておらず、いくつもの仮説が存在している。中にはかなり怪しげな、古代ギリシャや聖書に起源を求めるようなも…

はじまりの物語 (9)

ここから、15世紀のイエメンでのコーヒーの歴史をちょっとずつ、ひもといていきます。 (15世紀以前) 9世紀- エチオピアで、キリスト教徒(アクスム王国)とイスラム教徒(アラブ商人)が内陸部に進出。西南部エチオピア人の奴隷取引が始まる 925 ペルシャの…

はじまりの物語 (8)

#ターヒル朝前半 (1454-1478) の歴史。ほとんどPorter *1の抄訳。 15世紀後半から16世紀初頭にかけて、四代のスルタンによって続いたターヒル朝時代の前半 -- イスラム圏の史料にコーヒー利用の記録がはっきりと出てくるようになるのは、この時代である。タ…

はじまりの物語 (7)

#15世紀前半、激動期のイエメン。文献の入手が思ったより時間かかることが判明したので、歴史の部分だけ小出しにします。 15世紀に入ると、ラスール朝では上イエメンのザイド派や反抗的な部族との紛争が増え、またそれに伴ってアデン交易が衰退して、その権…

はじまりの物語 (6.5)

#本編は現在、発注してる文献の入手待ち。ちょっと一息ついて。アラブ人の名前について。 ここまでの歴史でもちょくちょくでてきたが、ここから先、さらにいろいろなイエメン周辺の人名が頻出してくる。これがいろいろとややこしいので、先にちょっと整理と…

はじまりの物語 (6)

#舞台をイエメンにうつして、6-14世紀頃の歴史。一応、ここ(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20130122#1358867217)からの続き。 575年、サーサーン朝ペルシアがイエメンを支配 628年、サーサーン朝のイエメン総督バドハーンがイスラム教に改宗 632年、…

はじまりの物語 (5)

#13世紀以降のエチオピア。ようやく佳境。 1063 ショア・スルタン国年代記の始まり(マヤの娘バディット女王の死) 11世紀後半 マクズム家がショア・スルタン国を興す 1108 ショア・スルタン国、ショアの東の部族をイスラム化 1128 ショアでキリスト教アムハ…

はじまりの物語 (4)

#9-13世紀中頃(1270年ソロモン朝勃興まで)のエチオピア (7-8世紀頃:イスラムの台頭) 9世紀初め:アクスム王国の南下が始まる 9世紀:ゼイラから内陸部に向かってイスラム勢力が拡大しはじめる 9世紀後半:アクスムの南下が進み(クバールに遷都?)、シ…

コーヒーさび病 基本(?)Q&A

海外のニュースにアンテナを張っている人の耳には、もう入っていると思いますが、現在(2013/2/1)、中南米各国でコーヒーさび病の被害が広がっています。 Coffee rust regains foothold(中南米), Nature News & Comment, 1/30/2013 Central America battle…

はじまりの物語 (3)

#はじまりの、さらにはじまり。「エチオピア3000年の歴史」を辿るので、コーヒーの話にはなかなか行き着きません。 ひとまずはいつものようにエチオピアの歴史の流れを、15-16世紀頃(オロモ侵攻の前あたり)まで見ていきたい。以下のサイトが非常に判りや…

はじまりの物語(2)

エチオピアにおいて、もっとも古くからコーヒーを利用してきたと考えられるのは、アラビカの原産地でもあるエチオピア西南部の諸部族である。しかし彼らが歴史の表舞台に本格的に姿を表すのは、かなり時代が下ってからで、15世紀末…すなわちイエメンのゲマル…

はじまりの物語 (1)

(「モカの通った道」 http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20100527 の、いわば前章。非定期にぼちぼち続ける) コーヒーの「はじまり」については、いくつかの仮説が広まっている。例えば、有名なヤギ飼いカルディの伝説やシェーク・オマールの伝説、シェ…

NHK「あさイチ」10/15放送に対してツッコミ

昨日(10/15)のNHK「あさイチ」で、「女性のためのコーヒー学」と称して、コーヒー特集が組まれてました。内容としては「コーヒーと健康」に関する話題が中心でした。放送時間の関係で、生では観れなかったのですが、録画して内容をチェックしました。 まず総…

パナマのコーヒー生産とその歩み(3)

(スペシャルティとか精製法の全体の話が入り交じってて、多分、読みにくいと思うけど、これで無理矢理一段落ということで)

パナマのコーヒー生産とその歩み(2)

(パナマコーヒーのその2。その始まりから、スペシャルティ以前の1980年頃まで) パナマコーヒー史年表 (1868年、アンリ・ヴェルテール "Essai sur l'histoire du café"にはパナマの記載はない) 1873年、セラシン家がカジェ・ホン・セコ地区(ボケテ区の西寄…

パナマのコーヒー生産とその歩み(1)

(とりあえず第一章として、パナマとボケテ区の歴史だけ。コーヒー生産についての話は後半に…なのでタイトルに偽りありです ^^; ) 以前のエントリ(マルチニークからのコーヒー栽培の流れ)で、カリブ海から中米諸国にかけてのコーヒー栽培の広まりを整理し…

”GOD IN A CUP” にツッコミ

#『嶋中労の「忘憂」日誌: 『GOD IN A CUP』(カップの中に神を見た)』で紹介されている洋書"GOD IN A CUP"について、カフェバッハの中川氏からも「事実誤認のある点を指摘して欲しい」という要望を受けてたので、それに応えて。 まず、全般的には良書と言…

メモ:マルチニークからのコーヒー栽培の流れ

メモ書き程度で。 ド・クリューがマルチニーク島に伝えたティピカが、中米のコーヒーの起源になったが、その伝播については正確な記録が残っておらず、曖昧である。資料によって、伝播の年代や経過の記述には違いが多くみられる。 マルチニーク島の農業事情…

2012年

昨年は、『田口護のスペシャルティコーヒー大全』に明け暮れたような一年でした。これまで自分の手元に眠らせてた資料を、最良の形で公開する機会が頂けたことが何よりも大きな喜びでした。今年もまたいろいろ頑張ろう。

ふるへっへんど(7)

Erpsig 訳:「ジャガイモのような」 Erpsigは、SCAAフレイバーホイールで、香味上の欠点(Faults/Taint)のホイールに現れる、「謎の単語」です。 というのは、この言葉は英語の辞書を探しても出てきません。SCAAのTed Lingleが言うには「ドイツのカッピング用…

ふるへっへんど(6)

久しぶりでいきなりですが、ぶっちゃけた話。 SCAAのフレイバーホイールは、それまで何の規準もなかったコーヒーの香味表現の世界に、「ものさし」となる語彙を示したという点で、大きな意義があったと思います。特に香りの表現について、それまでになかった…

ふるへっへんど(5)

Chocolaty- Bakers, Dark chocolate, Swiss (/Dutch *1 ) 訳語:チョコレート系:ベイカーズチョコレート、ダークチョコレート、スイスチョコレート(ミルクチョコレート) (/ダッチチョコレート) 多分、これまで訳されてきた中では誤訳が多かった箇所だ…