2012-07-30から1日間の記事一覧

パナマコーヒーのこれから

現在のパナマ・ボケテ区のコーヒー生産は、他の生産国と比べると、今のところ、高品質高価格化に成功している例だと思われる。だがその将来に不安がないわけではない。近年、ボケテ区は観光地として開発され、たくさんのアメリカ、カナダ、ヨーロッパ人の退…

もう一つの「ジレンマ」

実は、このパナマ・ゲイシャ・ナチュラルと似た香味のものは、コスタリカやグアテマラをはじめとする他の生産地からも時折見られる。それはパナマと同様のナチュラル精製をしたものとは限らない。例えば、摘み取りの時期をぎりぎりまで遅らせて完熟…というよ…

変化する精製法

ゲイシャに沸いたパナマのコーヒーに、2010年以降また新しい動きが見られている。それは精製方式の変化である。近年パナマでは「ナチュラル(ナチュラル精製)」と呼ばれる手法で精製された生豆が、特にゲイシャで作られるようになっている。 「ナチュラル」…

ゲイシャ登場の舞台裏?

こうして、ベスト・オブ・パナマ2004で、エスメラルダ・ゲイシャの華々しいデビューに人々の注目が一気に寄せられたわけだが、真に注目すべきは2004年ではない。むしろそれ以前、2001年、パナマ初の「カップ・オブ・エクセレンス」にこそ鍵がある。ここでの…

「パナマ・スペシャルティ」の躍進

1995年の段階で、パナマはアメリカ、ドイツ、カナダへの輸出を行っていたが、その国際的な競争力は低く、生産者は悲観的な状況にあった。この状況を打破すべく、ボケテ区、ボルカン区の7つのコーヒー農家が共同して、1996年10月に設立したのがパナマ・スペシ…

「スペシャルティ」への潮流

さてここで一旦、この当時の、世界の(というよりアメリカの?)コーヒー事情を見ておこう。 1960年代の初頭に締結された、国際コーヒー協定(ICA)により、コーヒー生産国には輸出割当の上限が決められ、また協定に加盟した消費国は加盟生産国からのみ輸入す…

パナマのコーヒー生産とその歩み(3)

(スペシャルティとか精製法の全体の話が入り交じってて、多分、読みにくいと思うけど、これで無理矢理一段落ということで)