楽工社『スペシャルティコーヒー物語』(監修・解説)発売のお知らせ

今日2/7に楽工社から、『スペシャルティコーヒー物語』(マイケル・ワイスマン著)という書籍が発売されます。私も監修というかたちで参加し、巻末解説を執筆しました。以前、このブログ(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/edit?date=20120528)でも紹介した『God in a cup』の完全版日本語翻訳です。


最初にこの依頼が来たのは昨年8月の終わり頃でした。ちょうどその頃、本業の学会発表と『珈琲の世界史』の校正等を控えていて、そこそこ忙しい時期だったのですが、手紙を読み進めたところ、「あの」God in a cupの監修という話。こればかりは、万が一変な人に話が回って下手な出来映えになったなら、後々困ったことになりかねないと、一も二もなく引き受けました。

アメリカのコーヒー史を語る上で、マーク・ペンダーグラフトの『Uncommon ground』(邦題『コーヒーの歴史』)と、この『God in a cup』は外すことができない……というより、前者がサードウェーブ以前、後者がサードウェーブ以降の優れた史料になっており、この2冊で現代までのアメリカ・コーヒー史が「完成」すると言っても過言ではないでしょう。日本では、ブルーボトルばかりがクローズアップされるサードウェーブコーヒーですが、実際にアメリカで衆目を集めたのは、この本がきっかけと言ってもいい……そんな、現代のコーヒー、カフェの歴史を知る上で、必須の一冊とも言えます。

僕も、もちろん原書は持っているのですが、訳者の久保尚子さんによる素晴らしい翻訳のおかげで非常に読みやすく、「あれ? God in a cupって、こんなに良い本だったっけ?」と認識を改めた次第です。


上述したブログ記事(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/edit?date=20120528)でツッコんだ部分に補足や脚注を入れたり、ちょっとだけ(『珈琲の世界史』では、かなりオブラートに包んでた)業界ウラ事情に踏み込んだり本書に登場したコーヒー人たちのその後を追った、巻末解説を書いたりしてます。興味のある方は是非。