2012-07-27から1日間の記事一覧

ゲイシャの導入

この頃のパナマに導入された品種で、忘れてならないのが「ゲイシャ Geisha/Gesha」である。これは1963年に、ドンパチ農園のフランシスコ・セラシン氏(=ドンパチ・シニア)*1が、コスタリカからパナマに持ち込んで栽培を始めたものだ。この当時までに、ゲイ…

IICA発足の影響

少し時代を遡って1910年、アメリカとその周辺諸国は、ヨーロッパ諸国に対する競争力を堅持することを目的に、汎アメリカ連合 (Pan American Union, PAU、後のOAS) を設立していた。そして1942年、このPAUを起点として米州農業協力機関(IICA)が発足した。II…

静かなパナマ

その後、ユーカースが"All about coffee"の初版を著した1922年になっても、パナマのコーヒー事情はこの当時とほとんど変化していなかったようだ。パナマのコーヒー産地としてはチリキ県ボケテ区の名前のみが挙げられており、「もっぱら国内消費用に生産され…

パナマコーヒーの黎明

パナマは中米諸国の中では、コーヒー栽培の開始がもっとも遅かった国である。 パナマはコスタリカとコロンビアの間に位置し、当初はコロンビアの一部であったものの、コーヒーの栽培に関してはコロンビアから受けた影響は少ないようだ。コロンビアには1730年…

パナマのコーヒー生産とその歩み(2)

(パナマコーヒーのその2。その始まりから、スペシャルティ以前の1980年頃まで) パナマコーヒー史年表 (1868年、アンリ・ヴェルテール "Essai sur l'histoire du café"にはパナマの記載はない) 1873年、セラシン家がカジェ・ホン・セコ地区(ボケテ区の西寄…