『コーヒー おいしさの方程式』紹介 (4)
#目次から、章立てを紹介します。
- はじめに
- 序章 ~本書の流れ (From Seed To Cup)
- 第1章 コーヒー豆の基礎知識
- 1-1 コーヒーのおいしさとは
- 1-2 アラビカとロブスタ
- 1-3 コーヒーの栽培
- 1-4 果実と熟成-味と香りの関係
- 1-5 精製-味と香りの関係
- 第2章 コーヒーの焙煎
- 2-1 焙煎とは何か
- 2-2 焙煎機について
- 2-3 焙煎とコーヒー豆
- 2-4 焙煎と豆の水分
- 2-5 焙煎のサイエンス
- 2-6 焙煎の理論と応用
- 第3章 抽出の科学
- 3-1 抽出方法と味・香り
- 3-2 抽出器具による味・香りの違い
- 3-3 抽出温度による味・香りの違い
- 巻末
- 付録1
- 焙煎アロマチャート
- 焙煎テイストチャート
- 付録2
- SCAAフレーバーホイール
- 付録1
A5版175頁で、巻末の付録1、2がスペシャルティ大全から再掲載(p.161-)ですが、それを除いて本文中の図表が31個で、その4分の3がカラーの図表や写真になっています。一部にはこれまでの大全などから再掲された図表もありますが、全く新しい図表も多数。今回もその原図や原案を提供しましたが、デザイン担当の方々の手で、さらに見やすいものに仕上がりました。
今回アートディレクターを担当されたのは、珈琲大全、SP大全と同じく、装丁家・山崎信成氏(ydoffice*1)。本書の装丁・ブックデザインも山崎氏の手によるものです。
- おいしさの方程式: のぶじいのぶろぐ - http://ydoffice.asablo.jp/blog/2014/01/08/7180668
山崎氏に加えて、廣田武志氏(hirotaS、有限会社ヒロタス)、イラストレーターの森田秀昭氏、また料理写真撮影の第一人者、高橋栄一氏と、大全シリーズを製作してこられたベテラン揃いです。
目次を見てもらうとわかるように、本書は「生豆(生産から精製まで)」「焙煎」「抽出」で章立てされています。前作のスペシャルティ大全では抽出についてはあまり触れられていませんでしたが、今回はそこにも一章が充てられています。これで「コーヒーノキの種子を蒔いてから、コーヒーがカップに注がれるまで」が一冊におさまった、と言えます。この「種からカップまで(From Seed To Cup)」という言葉は、アメリカでのスペシャルティコーヒーの隆盛に伴って出てきたスローガンです。どこかで言葉だけは耳にした方も多いと思います。
この企画が元々「スペシャルティ大全の解説本を」という話から始まったことについては前々回に触れましたが、進行するにつれて「どうせならば『From Seed To Cup』全体を俯瞰できるような本にしよう」ということになりました。
「From Seed To Cup」という言葉自体は耳にするのだけど、じゃあ具体的には何がどうなってるの?と尋ねても、はっきりした答えが返って来ないことが大半です。こうした「スローガン」にはありがちなことだけど、魅力的なフレーズが生まれると、それだけで何か新しいものを生みだした気になって、安心し満足して、そこで思考停止に陥ってしまうことがよくあります。せっかくの魅力的な「スローガン」だからこそ、それを単なる「言葉だけ」で終わらせるのはあまりにもったいないと。
そこで先行論文を漁って得られた科学的知見を織り交ぜながら徹底的に解題していこう、一時のブームで終わるようなふわふわとしたイメージだけでなく、しっかりと地に足がつくよう中身を固めていこう、というのが本書のもう一つの目的になったのです。