「アラビカは自家受粉可能」という一言から風呂敷を広げる

デイヴィス(A.P.Davis)は、2006年にCoffea属の新しい分類体系を提唱した。この論文の時点で、Coffea属には103の種が含まれることになった。

シュヴァリエ(A. Chevalier)が1947年に分類体系を提唱し、Coffea属を60種強に再整理してから60年ほどが経過していたが、その間に、タンザニアカメルーンマダガスカルでの調査で多くの新種が発見され、その一方では、Argocoffea節が独立したArgocoffeopsis属に変更されたり、Paracoffea節に分類されていたベンガルコーヒーノキ(旧学名Coffea bengalensis)がPsilanthus属に移されるといった、細々した再編がなされてはいた。デイヴィスの論文は、これらのごちゃごちゃした状況を新たに整理してくれた点でも非常に価値があるものだった。