2010-05-18から1日間の記事一覧
以上が、さび病以前のブラジルの品種の大まかな流れである…途中あちこちに余談で飛んだので、話がごちゃごちゃになったが、おおまかにまとめると以下の通り。 ティピカ vs ブルボン → ブルボン(高収量、高品質) カトゥーラ発見 → 採用見送り(サンパウロに…
上述のカトゥアイもそうだが、ブラジルの品種には、赤実種(Vermelho、ヴェルメリョ)と黄実種(Amarelo、アマレロ)の両方があるものが多く存在する。ブルボン、カトゥーラ、カトゥアイ…耐さび病品種のトゥピ、オバタン、イカトゥまでそうだ。 元々コーヒー…
ムンドノーボの欠点である「樹高の高さ」と、カトゥーラの欠点である「サンパウロでの生長の悪さ」を互いに補うために交配が行われた。ムンドノーボをベースに、カトゥーラ由来の矮性遺伝子Ctを導入するため、両者を交配した後で、ムンドノーボとの戻し交配…
ある意味で、カトゥーラと対照的なのがムンドノーボである。ムンドノーボには、カトゥーラの「節間短縮」のような、特筆すべき優れた遺伝的要因は何もない。しかし「サンパウロの気候風土に非常に合った」品種である。 ムンドノーボは、インドネシアから移入…
コーヒー産地での生産工程において、最も手間のかかるのは「実の収穫」である。この工程を如何に省力化できるかは、生産性の向上につながることから非常に重要視された。元々アラビカ種の樹高は3mに達するため、これを小型化できれば、人の手による収穫が容…
1859年、ペードロ2世の統治時代にブラジル政府は、ブルボン島(現在のレユニオン島)からコーヒーを移入した。これがその後、ティピカと並ぶアラビカ二大品種の一つ、「ブルボン」として知られるものの起源だとされる。 他の中南米諸国ではティピカが栽培さ…
少し前(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20100514#1273843882)に述べたが、ブラジルは中南米の中では比較的初期(1727年)にコーヒー栽培に着手した国である。他の中南米諸国が、マルチニーク島に移植されたド・クリューのティピカを起源とするのに対…
#以前(http://d.hatena.ne.jp/coffee_tambe/20100114)紹介した、ポルトガル語総説に関連して。 そもそも(ブラジル・カンピナス農業試験所の研究者、Carvalhoも自身で述べているように)コーヒーは遺伝学や育種の研究に不向きな植物である。何よりも、種…