Q. 今回のは新型なの?

A.現時点では情報不足でわかりません。新型以外の可能性もありえます。


2009年からコロンビアで流行していたものについては、2012年に中~南部(トリマ、カルダス、カウカ、アンティオキア)で採取されたコーヒーさび病菌の解析した結果が発表されました(http://www.ndrs.org.uk/article.php?id=025019)。

2008-2011年に採取された30種類のうち、28種類は従来と同じ病原型(Race II)であり、残りの2種類はこれまでの病原型には当てはまらなかったものの、感染のスピードも従来のものとは変わらず、これまでのハイブリッド耐病品種には感染できず、遺伝子上の違いも証明できませんでした。したがってコロンビアのものが新型であった疑いは、完全には拭いされないものの、積極的に支持できる証拠はなかった、ということになります。


また、そもそも「標高の違いで、さび病の被害が変わる」というのは、標高の違いによる温度の違いによるものですし、さび病の発生は、気温や降雨などその年の気候にも大きく左右されます。近年は、気候の変動が激しいため、たまたまそれがさび病の発生時期に重なった可能性なども考慮する必要があるでしょう。

また、近年では「スペシャルティコーヒー」と呼ばれる、生豆の高品質さと個性を重要視する動きが強まっており、その流れで「昔ながらの品種」を要求する声が高まったという背景があります。需要の増加によって、それまでは耐病品種を植えていた農園でも、従来の(さび病に弱い)品種の作付けを増やすなど、品種のシフトが起きていた可能性も無視できないでしょう。