「コーヒーの科学」紹介(8)

アマゾンでは明日ですが、講談社サイトの公式情報では本日発売とのことで、すでに置いてある書店もあるようです。


今日で内容紹介は一段落、最終の8章の紹介です。

8章のテーマは「コーヒーと健康」。いろいろ取り上げられることの多い内容で、私も2001年頃から食関係の雑誌に寄稿したり、いろいろと情報提供してきた、世間の関心も高いテーマです。

……が、「コーヒーはくすりだ」だの「健康食品」だの、そうした紋切り型のフレーズとともにメディアに取り上げられることには正直、ちょっと辟易しています。そもそも医薬品としての利用が認められてないものを「くすり」と呼ぶのは、少なくとも医学に関わる身としては慎むべき行為です。また、その一方で何のエビデンス(医学的根拠)もなく、トクホにすら認められないレベルの健康食品「なんかと」一緒にされるのも、非常に不本意です。


コーヒーがヒトの健康に及ぼす影響に関しては、これまで多くのちゃんとした疫学的な研究が行われた結果、きちんと整理しさえすれば実際の医療のレベルで扱われるエビデンスに基づいた議論が可能になっています。そこで、この本では「エビデンスに基づく、コーヒーと健康の考え方」を紹介しています……とはいえ、この「エビデンスに基づく」というのは何なのか、馴染みがない読者も多いと思われますので、テレビでやっている健康情報番組の考え方とはどう違うのかという、その基本となる考え方から解説しています。