『珈琲の世界史』紹介(1)
- 作者: 旦部幸博
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/10/18
- メディア: 新書
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書影と目次、前書きの一部が公開になりました。
おもいきりストレートなタイトルと、シンプルなデザイン。
帯には英題の「Coffee -A Cup of World History-」の文字。
編集氏から「カッコいい英文を考えてほしい」という無茶ぶり(!)を受けて、いくつか出した候補の中から選ばれたもので、これがこの本のすべてを表していると言ってもいいくらい、個人的にもお気に入りのフレーズです。
(特に英作文の)センスには自信がないのだけど、他の方々からも概ね好評のようで、ちょっと安心しています。
もともと、手軽に読めるのが「新書」の良さの一つです*1。この本は「コーヒーの液体そのもの」の代わりに、「コーヒーの歴史物語」が注がれたカップのようなもの。カップ一杯のコーヒーを飲むような気楽さで「味わって」もらえたら嬉しいです。
新刊『珈琲の世界史』10/18発売
ブルーバックス『コーヒーの科学』、購入いただいた皆様のおかげで、発売1年半にして現在10刷にまで達しております。 m(_ _)m
ご高評のおかげもあって、ブルーバックスと同じく講談社の新書レーベル、講談社現代新書から新刊を出せる運びとなりました。『珈琲の世界史』今度は歴史についての本です。
新刊書籍発売予定表|講談社BOOK倶楽部 - http://bookclub.kodansha.co.jp/calendar
Amazonはじめ各所でネット予約も始まっています。
- 珈琲の世界史 (講談社現代新書) | 旦部 幸博 |本 | 通販 | Amazon - https://www.amazon.co.jp/dp/4062884453/
- 楽天ブックス: 珈琲の世界史 - 旦部 幸博 - 9784062884457 : 本 - http://books.rakuten.co.jp/rb/15138740/
- 珈琲の世界史の通販/旦部幸博 講談社現代新書 - 紙の本:honto本の通販ストア - https://honto.jp/netstore/pd-book_28688616.html
詳しい内容紹介は追々。
『コーヒーの科学』(その11)
#コーヒークイズ
『コーヒーの科学』、おかげさまで売行き好調とのことで発売1ヶ月強で4刷になりました! 現在品切れの書店*1も4月には入荷すると思われますので、しばしお待ち願います。
そろそろ読み終えた方も増えてきたと思いますので、ここで一つ、私からの「挑戦状」ということでクイズを。
- 難問コーヒークイズに挑戦! あなたは何問解けますか? - http://bluebacks.kodansha.co.jp/news/2016/3/16.html
講談社BOOK倶楽部ブルーバックスのサイトで、初級~上級のコーヒークイズ全10問を出題しています。よろしければチャレンジしてみて下さい(正解は出題1週間後に発表の予定)。
それから、これとは別に、じつは発売前の宣伝(?)を兼ねてtwitterでもクイズを出題していました。リアルタイムで参加されなかった方はこちらにもチャレンジしてみてください。(正解はこちらを参照)
- 次のうち、生物学上コーヒーノキにもっとも近い植物は?【事前正解率?%(未集計)】
- 次のコーヒー関連技術のうち、もっとも古く開発されたものは?【事前正解率48%】
- 代用コーヒー
- カフェインレスコーヒー
- インスタントコーヒー
- 缶コーヒー
- 次のうち、多言語に訳するのが最も難しいコーヒーの香味表現は?【事前正解率5%】
- コクがある
- キレがある
- 香ばしい
- 芳醇な
- 目の前に一杯のコーヒーがあります。このコーヒーから検出される香り成分の数はどれくらい?【事前正解率36%】
- 20-30種類
- 200-300種類
- 800-1,000種類
- 8,000-10,000種類
- 次のうち、日本で生まれた抽出器具/抽出方法はどれ?【事前正解率11%】
- 次のうち、焙煎での変化がもっとも少ない成分は?【事前正解率64%】
- カフェイン
- クロロゲン酸
- ショ糖
- アミノ酸
- 次のうち、同一の種に該当しないものはどれか【事前正解率41%】
- カネフォーラ
- デウェブレイ
- ロブスタ
- ローレンティイ
- 1864年にジャベズ・バーンズが考案したバーンズ型焙煎機。コーヒー焙煎機で「史上最大の発明」ともいわれるその特徴とは?【事前正解率21%】
- 円筒形の釜(ドラム)を初めて採用した
- 大型化による大量生産に成功した
- 焙煎豆を取り出す「取り出し口」をつけた
- 強い熱風による攪拌方式を採用した
- 次のうち、単独で嗅いだ場合に、もっとも「コーヒーらしい」香りの成分は【事前正解率26%】
- アルキルピラジン
- フラネオール
- 2-フルフリルチオール
- メルカプトメチルブチルフォルメート
- 次の飲食物(群)のうち、コーヒーよりも、健康との関連の研究が多いものはどれか(ただし、疫学関連の総論文数が多いものを「研究が多い」と見なすものとする)【事前正解率19%】
- 肉類(全般)
- 魚介類(全般)
- ワイン
- トマト
*1:店によってはたくさん入荷して残ってるところもあり、そういうところだと何だか売れ残ってるようにも見えるので、売れてるのか売れてないのか実感がないのが本音です。
『コーヒーの科学』正誤
そろそろ、オンラインで書評を書いて下さっている方も出てきました。今のところ大きな瑕疵の指摘もなく、概ね好評のようでほっと胸をなでおろしてます。
ぼちぼち、補遺などの解説をと思いますが、まずは正誤のあった点から。初回重版に修正が間に合わなかった点も含みますが、電子版も含め順次修正されていくことになると思います。
- カバー折り返し:プロフィールに「医学博士」を追加。(忘れとった……)
- p.177 後ろから3行目 図6-4→図6-3
- p.272 図8-1:C. のべ数千~数万人を対象に。通例5~15年追跡調査→C. のべ数千~数万人を対象に、通例5~15年追跡調査
それから p.45-46 コーヒー豆は豆じゃない では、トウゴマ、ワタ、コーヒー以外には双子葉植物で有胚乳種子がほとんどない、という論旨に読めますが、この他、カカオ豆やコーラ(の実)も該当しますので
- p46 1行目 コーヒーくらいのもの → コーヒーとカカオくらいのもの
ほかにも見つかったものについては、こちらでもお知らせしていくつもりです。
コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)
- 作者: 旦部幸博
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 新書
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「コーヒーの科学」紹介(8)
コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)
- 作者: 旦部幸博
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 新書
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アマゾンでは明日ですが、講談社サイトの公式情報では本日発売とのことで、すでに置いてある書店もあるようです。
今日で内容紹介は一段落、最終の8章の紹介です。
8章のテーマは「コーヒーと健康」。いろいろ取り上げられることの多い内容で、私も2001年頃から食関係の雑誌に寄稿したり、いろいろと情報提供してきた、世間の関心も高いテーマです。
……が、「コーヒーはくすりだ」だの「健康食品」だの、そうした紋切り型のフレーズとともにメディアに取り上げられることには正直、ちょっと辟易しています。そもそも医薬品としての利用が認められてないものを「くすり」と呼ぶのは、少なくとも医学に関わる身としては慎むべき行為です。また、その一方で何のエビデンス(医学的根拠)もなく、トクホにすら認められないレベルの健康食品「なんかと」一緒にされるのも、非常に不本意です。
コーヒーがヒトの健康に及ぼす影響に関しては、これまで多くのちゃんとした疫学的な研究が行われた結果、きちんと整理しさえすれば実際の医療のレベルで扱われるエビデンスに基づいた議論が可能になっています。そこで、この本では「エビデンスに基づく、コーヒーと健康の考え方」を紹介しています……とはいえ、この「エビデンスに基づく」というのは何なのか、馴染みがない読者も多いと思われますので、テレビでやっている健康情報番組の考え方とはどう違うのかという、その基本となる考え方から解説しています。
「コーヒーの科学」紹介(7)
コーヒーの科学 「おいしさ」はどこで生まれるのか (ブルーバックス)
- 作者: 旦部幸博
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/02/19
- メディア: 新書
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#7章の紹介
7章のテーマは「抽出」です。こちらも、6章の焙煎と同様、前著『コーヒー おいしさの方程式』で一部についてはすでに触れていました。ただし、その前に参加した『スペシャルティコーヒー大全』ではほとんど触れていなかったため、焙煎に比べるとさらに、これまで出してこなかった話の多い部分になります。
ただ、実をいうと抽出に関する研究はあまり進んでおらず、また論文が出ていても応用の効かないデータが大半なのが現状だったりします。このため、この章は(主に)日本での抽出の現状を踏まえてその原理を解釈するという、やや試験的な内容になっています。そこから導き出される内容については、じつは既に結果の図だけを先に『おいしさの方程式』のカラーの挿絵として公表ずみです。今回は、その図が出てくる元になる、総合的な「理論」の解説から行っています。
また各論として、ドリップ、サイフォン、エスプレッソ、プレス……と、いろいろな抽出器具、抽出法についても解説しています。いわゆる「ハウツー」やTIPSは少ないですが(それはどっちかというと、普通の「コーヒー本」の領域ですし…)それぞれの簡単な歴史や器具の特徴のほか、抽出のクセのような部分についても解説していますので、上手く活用すれば、日々のコーヒー抽出にも役立てることは可能だと思います。